トライアンフ東京 月別アーカイブ
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でんっ!!!
いやぁ、Street Triple RS、どの色もカッコいいですよ(*^▽^*)
駒田は個人的に黄色が好きです(なお、語彙力)
とってもカッコいいんですけど、跨ると何故か地面がどこかに消えちゃうんですよね…。
なんでだろ? 笑
さて、RS → R → MOTO2 と続けて登場予定のStreet Tripleですが、車両に先駆けてクロージングのご紹介です
駒田が熱望しているソフトシェルは残念ながら無いのですが、最近人気の高いジャージが新登場!
襟付きの半袖シャツも、パンツにインしてカッコよく着こなせそうです。
(この言い回しに既に年を感じるのは私だけ…? )
Tシャツはバックロゴとセンターロゴの2種類。
キャップと、今回はリバーシブルのネックチューブもあります。
写真が下手くそすぎて白く写っているのですが、「RACING」の文字は黄色です。
まだオフィシャルの画像が上がっていないので、資料からの切り抜き画像になってしまうのですが、こんなカンジ。
黄色のワンポイントが入ったことにより、オシャレ度がアップ!
さぁ、そんなMOTO2 GP COLLECTIONは、もちろんECサイトでもお取り扱い中です(*´▽`*)
是非是非ご覧ください、そしてご購入くださいませ(*^▽^*)
そして…。
お待たせしております、2023年のクロージングCOLLECTION、SS23…。
ただ今、海を渡っております…。
ゆっくりゆっくり、日本に向かっております…。
4月の後半位の到着になってしまうかも、との情報が入ってきておりますので、気長にお待ちいただけると幸いです。
それまで!是非!!MOTO2、そしてDGR!!をよろしくお願いします!
皆さんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。今回はBonneville T120についてお話しさせていただきます。
■Bonnevilleの名前の由来
よく、Bonneville(ボンネビル)はイギリス車なのに、なぜアメリカの地名が車名になっているの?と聞かれるのですが、これは、アメリカ・ユタ州のボンネビル・スピードウェイで今でも毎年8月に行われている、最高速度を競うレースでの勝利に由来します。
スピードウェイといっても、いわゆる一般的なサーキットではありません。ユタ州にあるグレートソルト湖が干上がって出来た30000エーカーに及ぶまっ平でカチコチな平原(塩原)をコースに見立てて、そこをスピード自慢のマシンを駆って最高速度を競い合うのです。
このボンネビル・スピードウェイのことは映画にもなっており、題材は他メーカーのバイク「インディアン・スカウト45」の話になりますが、「世界最速のインディアン」と言うタイトルです。
これ、じつは私が最も好きな映画なんです。劇中、アンソニー・ホプキンス演じる主人公バート・マンローが、近所の子供と話している時、「このマシンでスピードに挑む時は5分が一生に勝る。一生よりも充実した5分間だ!」と語ったシーンが忘れられません。
1920年代に作られた非力なバイクを自らチューニングにチューニングを重ねて、世界最高速度を記録するバイクにまで仕上げた、不屈の精神の持ち主の話です。
と、少々、脱線しましたが、Triumphもこのボンネビル・スピードウェイで1955年、650ccのエンジンで時速193マイル(約309キロ)の最高記録を打ち立てています。そして、その翌年には同じエンジンの発展型で時速214マイル(約342キロ)を打ち立てているのです。
その後、ボンネビル・スピードウェイでの勝利を支えた技術力のフィードバックから作られた、画期的な高性能エンジンを搭載した新型車を1959年に発売することになりました。
当時、マーケット的にもアメリカは最大の市場規模を誇っており、そこでも勝利したいとの思いから、ボンネビル・スピードウェイでの勝利にあやかり、車名を「Bonneville」と名付けたそうです。
■スタイリング
いまのBonnevilleは現在の道路事情や排気ガス規制に適合するべく、最新技術でエンジン他を制御するようになっていますが、往年のモダンクラシックなデザインは受け継がれています。
空冷の時代から少しずつリファインされながらも、その美しさは今でも何ら変わりません。この見ていて飽きの来ないデザインは、様々なメーカーがお手本にしたそうです。
■エンジンの特性
低回転からトルクフルで非常に乗りやすく、そして心地よい排気音と相まって、トコトコと走るのが楽しい特性に仕上がっています。
国産のリッターバイクのような天にまで突き抜けんばかりに回るフィーリングはありませんが、120年の歴史が生み出すTriumph伝統のバーチカルツインエンジンの鼓動感は何物にも代えがたい魅力があります。
低回転では味わい深い鼓動感を生み出しつつ、クルージングでは程よいエキサイティング感を楽しめる、そんなエンジンに仕上がっています。
■ハンドリング
フロント18インチ、リア17インチという組み合わせのセッティングは現代風で、程よい軽快感に仕上がっています。フロントブレーキはT100のシングルディスクに対してT120はダブルディスク。その分の重さは感じ取れるのですが、これは2台を乗り比べて初めて分かるレベルです。
ブレーキのタッチはしっかりしていて、握り込んだ分だけちゃんと効いてくれる、さすがブレンボですね。
そして、これまたTriumphのノウハウが詰まった伝統のダブルクレードルフレーム、見た目は何の変哲もない鉄パイプを曲げて溶接しただけに見えるのですが、パワーとタイヤのグリップにマッチした秀逸なフレームで、Bonneville T120の素性の良さに貢献しています。
走りだせば237kgの車重は感じません。しかも、ハンドル切れ角も大きいので、ごく低速域での取り回しも楽ちんです。初めての道、ツーリング先での狭い路地、行き止まりでUターンするような場面でも、足付きの良さと相まって機動性は抜群です。
■足つき性
足付き性は低いシート高のお陰で、身長172cmの私の場合は両足べったりで安心です。小柄な体形の方でも大丈夫だと思いますが、足付きに不安な方はシート加工(アンコ抜き)でローシートにすることも可能です。
※写真はT120Blackのためマフラーが艶消し黒になっています。
■電子制御
T120には快適に高速道路をクルージングできるよう、シングルボタンで操作のしやすいクルーズコントロールが装備されています。
ライディングモードは「Road」と「Rain」の2種類です。トルク特性とトラクションコントロールの設定が調整され、悪天候の時はもとより、遠出の帰りで疲れている時にもパワーを抑えた走りが出来るので安心です。
ABSは万が一の時、急ブレーキで危険回避するような場面でもタイヤロックをすることなく、確かな制動力で車速を落としてくれる優れもので、普段はその存在を忘れてしまいますが、もはや安全なライディングには欠かせない装備です。私は過去に何度かABSに救われたことがありますので・・・。
★まとめ
厳しい排ガス規制「ユーロ5」に対応することが難しく、クラシックでオーソドックスなモデルが次々と廃盤となっていく現代にあって、変わらぬ高い質感で所有欲を満たし、そして、毎日乗って楽しく、いつまでもそばに置いていたいと思えるバイク、それがBonneville T120だと思います。
似たようなデザインのバイクは他メーカーでもありますが、あくまでも似たようなデザインです。乗り比べればわかります。Bonnevilleは唯一無二のバイクです。いつも忖度抜きにダメだしする私が褒めるのですから。それくらい歴史の重みを感じさせる秀逸なバイクです。
ぜひ一度、トライアンフ東京で試乗して、120年の歴史を感じてみてください。
皆さんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。
今回は「新型 StreetTriple 765 RS」を袖ケ浦フォレストレースウェイで試乗してきましたので、その時の感想をお話しさせていただきます。
※袖ケ浦フォレストレースウェイ オフィシャルページより
まず、あくまでもスピードレンジが高いサーキットでの感想ですので、街乗りでは違った印象を受けるかもしれないということは、予めご理解いただいたうえで、読み進めて頂ければと思います。
※ブログ内の走行写真はオフィシャルページからの拝借です。決して私ではありませんのでwww。
■走行インプレッション(前型との違い)
まず、走りはじめて最初に感じるのは、前型と比べてスタートが楽に思えたところです。クラッチミートした瞬間から2気筒エンジンのように押し出そうとする力を感じられ、Moto2からのフィードバックにより各部を見直してパワーアップ(123PS → 130PS)したエンジンは伊達じゃないと感じました。
また、車体重量は前型と変わらない188kgなのに軽快感は強くなっています。特にコーナーリング時の倒し込みは、キッカケを与えた瞬間にスパッと倒れ込んでくれる、カミソリのような切れ味です。
これは、ホイールベースの短縮、キャスター角の変更、シート高11mmアップなど、車体構成を見直した結果、ロールポイントが前型と変わっているからなのかもしれません。
標準装備のクイックシフターはアップもダウンも素早いシフトを可能にしており、ギクシャク感はありません。シフトタッチは優しい感じで、どこかのメーカーのようにガチャンガチャンと大きな音を立てることも無く、スムーズにスコスコっとギアが入ります。
新たに搭載されたIMUによる恩恵は、奥で回りこんでいるコーナーで感じることが出来ました。車体をバンクさせている状態から、ブレーキングで減速し、更に小さく回り込む袖ケ浦の第4コーナーでも、安心してブレーキが掛けられるほどABSの信頼性が高く、介入もほとんど感じませんでした。
更に言うなら、袖ケ浦のストレートエンドで4速全開からフルブレーキング、フロントフォークがフルボトムしていても、スムーズに姿勢を乱すことなく減速できるのは驚きでした。これはIMU制御によるABSと、ブレンボの新しいスタイルマ・キャリパーの相性が良いのだと思います。
IMU制御によるトラクションコントロールの良さは実感としては正直わからなかったのですが、袖ケ浦サーキットの最終コーナー、少し上りの左コーナーでフロントのグリップ感が抜けそうな場所でも不安なく走れたのは、気づかないうちにトラクションコントロールが上手に制御してくれていたからだと思います。
同じくIMU制御によるフロントホイールリフトコントロールに関しては、スロットル全開で袖ケ浦の直線をフル加速してフロントが浮き気味になった時、わずかに介入があったのは分かりましたが、加速が鈍るような感覚はありませんでした。
新型StreetTripleの最新式電子制御は出しゃばるような介入が無く、非常に秀逸なシステムだと感じました。
ただ、このようにサーキットで走りやすいバイクというのは街乗りには不向きなのでは?と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、乗りやすさを追求したフラットなトルク特性のエンジンは、回転数が上がるにつれてパワーが上がる、唐突にドカンとパワーが出ることがない、すごく自然なフィールのため、非常に乗りやすい特性になっています。
神経を尖らせるような必要は全く無く、乗り手のライディングスキルに合わせてくれる懐の深さ、許容範囲の広さを持っているのが、新型StreetTriple です。
■足つき性に関して
気になる足付きですが、標準シートでも身長172cmの私の両足が付きますから、平均的な日本人の身長であれば、特に臆することなく乗れる高さです。
メーカーオプションのローシート装着車両に試乗した感想ですが、確かに足つき性は良くなっていますが、座面が低くなってもシートの端を残すように削っているため、若干、足を大きく開く必要がありました。そして、シートの端が太腿の内側にあたるため、長時間乗車では、太腿の内側が痛くなるかもしれません。
また、座面をフラットにしないで「すり鉢」のように削ったせいで、座面の前方が盛り上がる形状になっているため、小柄な体形の方だと、この盛り上がりが邪魔になり、ハンドルに手が届きにくいと感じるかもしれません。
もし、新型StreetTripleでシート高を下げたい場合には、オプションのローシートではなく、純正品の加工でご自身の体形にフィットする形状に仕上げる方が良いのでは?と、個人的には思いました。
なお、リアサスペンション・アッパーマウントのスペーサーを取り外すことで、10mmローダウンすることも可能です。これに関しては、ノーマル車高と乗り比べても違和感はありませんでした。
トライアンフ東京でもシート加工や上記ローダウンも承れますので、ご希望の場合はご相談ください。
■まとめ
新型StreetTriple 765 RS の価格は149.5万円からですが、装備、質感、走りのどれをとっても価格以上に感じられ、とても割安感を感じる車両です。個人的には180万円が妥当な価格かなと思うくらいです。
スポーツバイクという性質上、サーキット走行を考えている方にお薦めなのはもとより、ビギナーからエキスパートまで楽しめる懐の深さ、街乗りからサーキットまで許容するトルクフルな3気筒エンジン、決め細かな最新式電子制御による安定感、専用チューンが施されたしなやかな足回り、剛性が高くバランスの良いフレーム、限界時でもコントロールしやすいブレーキと、どこをとってもTriumphのエンジニアが拘り抜いて作り上げているため、すべての人に乗る楽しさ、操る喜びを与えてくれるバイクだと感じました。
今回はサーキットでの試乗なので、高いスピードレンジでの話が中心となりましたので、街乗りやツーリングでのインプレッションは、別の機会にお伝えしたいと思います。それまで、少しだけお待ちください。
トライアンフ東京では新型StreetTriple 765 RS の試乗車の用意があります。気になる方は、私の言葉が嘘か本当か、ぜひ、確かめに来てください。
みなさんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。
先日、トラクションコントロールの記事を書きましたが、その中で少し触れていたABS(アンチロックブレーキシステム)について、今回はお話ししたいと思います。
■ABSの歴史
ABS(アンチロックブレーキシステム)とは、ブレーキを強く握りすぎたとき、または滑りやすい路面でのタイヤロックを防ぎ、安全かつ短い距離で停止することをサポートするブレーキ補助装置です。
最近では広く利用されるようになり、バイクにも標準装備されるようになりましたが、このABS、最初の導入は鉄道からでした。
一般的に鉄道は「鉄製の車輪」を使用していますが、ブレーキをかけた時に車輪がロックした場合、レールとの摩擦で大きな振動や異音が発生する問題がありました。
この問題を解決するために、1936年、ドイツのロバートボッシュ社が鉄道の車輪のロックを防ぐ装置を開発したのですが、これがABSの始まりとされています。
また、当時の飛行機の着陸時にも同様の問題があり、1947年にはイギリスのダンロップ社がこの技術を応用して、飛行機用のABSを開発しました。
当時のABSは現在のものとは違い、どちらかといえばブレーキ性能よりも車輪等の損傷を防ぐ役割の方が大きく、その動きもかなり粗かったようです。
その後、自動車の普及に伴い事故が増加すると、安全性の向上が求められるようになり、自動車業界でもABSの技術が注目されるようになりました。
自動車へのABS搭載(4輪すべて制御)は1978年にメルセデス・ベンツが世界初、バイクへのABS搭載は1987年にBMW・K100が最初となります。
※wikipediaより
日本におけるバイクへの普及は、世界のABSシステム開発を牽引するボッシュ社の「ABSを標準装備すればバイクの死亡事故の4分の1が防止できる」との発表から本格的になりました。
そして、2018年の新型車よりバイクのABS搭載が義務付け(※一部除外車両あり)られるようになったのです。
■ブレーキが効くまでの流れとABSの仕組み
ブレーキが効くまでの流れは、①ブレーキレバーを握る→②マスターシリンダーが押されて油圧が発生する→③その油圧がブレーキホースを通りブレーキキャリパーへ伝わる→④ブレーキパッドがブレーキディスクに押さえつけられる→⓹パッドとディスクの摩擦により車体が前に進もうとする運動エネルギーが熱エネルギーに変換され空気中に放出される→⑥車速が落ちる(ブレーキが効く)となります。
この一連の流れの中で、ブレーキを必要以上に強く握りすぎてしまったり、また滑りやすい路面でのブレーキはタイヤがロックしやすく、転倒したり、制動距離が長くなったり、最悪、事故につながる可能性もあります。
そこで、センサーでタイヤの状況を検知して、ロックしたら(しそうになったら)一瞬だけブレーキを緩めてロックを防ぎ、再びブレーキを掛ける、この動作を瞬時に繰り返し、安全な減速を可能にしているのがABSなのです。
基本的なABSの仕組みは、ホイール(ブレーキディスク)に取り付けられたセンサーを使って車輪の回転速度を計測し、この情報をもとにコントロールユニットが「タイヤの回転数」と「速度」を監視します。
この「タイヤの回転数」と「速度」の差が大きい場合にタイヤがロックしていると判断をして、コントロールユニットがブレーキの効きを一瞬緩めてロックを回避し、そして、ロックが解除されたら再びブレーキをかけていくようになっているのです。
■ABS搭載のメリット
ABSが搭載されたバイクには、大きく3つのメリットが考えられます。
まず、急ブレーキをかけた時に転倒しづらくなります。
もし、ABSのないバイクで急にブレーキを強く握りしめた場合、ブレーキの制動力がタイヤのグリップ力を超えると、タイヤがロックしてスリップしてしまい、転倒しやすくなってしまいます。
一方でABSが搭載されているバイクでは、力いっぱいブレーキをかけてもポンピングブレーキを自動的に行いながら減速できるため、タイヤのロックを防ぎ、転倒しづらくなるのです。
次に、路面状況が悪くても止まりやすくなることが挙げられます。
砂利道や雨で濡れた路面では、スリップしないようにブレーキを掛けると思うのですが、ABSがないバイクでは、そのコントロールが難しく制動距離が伸びてしまうのが一般的です。
そこをABSが搭載されているバイクであれば、タイヤロックによるスリップ防止を機械的(自動的)に行ってくれますので、路面状況が悪くても思い通りの位置で停止しやすくなります。
そして、何よりバイクの運転に集中しやすくなる点は大きいです。
バイクの運転操作の中で、安全・確実に減速するという操作が実は一番難しく、スピードを出すほどに、その難易度は高まっていきます。そのため、ABSのないバイクを運転中、咄嗟の判断で急ブレーキをかけた場合、その操作にだけに意識が向いてしまい、他の操作に遅れが生じ、転倒につながったりすることがあります。
しかし、ABSが搭載されているバイクであれば、急ブレーキをかけてもタイヤロックによるスリップ・転倒は防げますので、その安心感や気持ちのゆとりがある分、スロットルやハンドル操作等に集中できるようになります。
これにより、例えば疲労で集中力が低下しやすいロングツーリングの走行でも、事故の発生リスクを抑えられるのです。特に、免許を取得して間もない初心者ライダーには必須アイテムだと思います。
ABS搭載によるデメリットは一般車両においては見当たりませんが、どれほど高性能なABSであっても高速で走行していればバイクは止まりにくくなります。
もちろん、ABSの搭載でバイクの安全性が高まるのは言うまでもないのですが、「100%安全というわけではない!」という事を忘れてはいけません。
■安全運転のために
安全運転のためにはABSのような補助装置も大切ですが、やはりライダー自身のブレーキワークやアクセルワークなどの運転技術の向上は必要です。
バイクのブレーキ操作は、教習所で習う一般道を前提としたブレーキングと、サーキットでのスポーツ走行を前提としたブレーキングで、速度域の違いから考え方や操作に若干の違いがありますが、基本は同じです。
まず、前後ブレーキそれぞれの役割は、フロントブレーキが主に車速コントロール、リアブレーキが姿勢コントロールで、これはABS搭載車でも非搭載車と同じです。
リアブレーキで車体を安定させつつ、フロントブレーキを緩やかに握り込み、徐々に強めていくのが基本的なブレーキ操作です。
なお、ABS搭載車は緊急時に前後ブレーキを強くかけてもタイヤロックは避けれますが、急ブレーキの時は車体が不安定になるのと併せて、身体が浮き気味になります。
こうなると、上半身に力みが生じて、ハンドル操作がスムーズにできなくなり、結果として転倒リスクが高まりますから、咄嗟の時でも足や腿で車体をしっかり挟み込めるよう、普段からニーグリップを意識した乗車姿勢をとりましょう。
どれだけ技術が進んで安全装備が充実しても、最後はライダーの判断に委ねられるという事は、今も昔も変わりません。基本を大切にして、安全運転でバイクを楽しみたいものですね。
みなさんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。
今回は見た目が強烈~!!なTiger1200 Rally Proに乗った感想をお伝えしたいと思います。
■足付き
シート高は875-895mmとかなり高く、身長172cmの私の場合、両ツマ先が付く程度です。もちろん低目の875mmにセットしましたが、写真(左)のようにバレリーナ状態ですwww。
左足べったりの写真(右)はお尻を少し左にずらした状態のもので、信号待ちではこうやって、左片足で支えるようにしていました。でもまぁ、こうすると、車高の高さも何とかなるもんですね。
ただ、信号待ちしている時に強い風にあおられ、一瞬ヒヤッとする事もありましたが、乗って乗れないことはない、と言うのが正直な感想です。きっと慣れれば大丈夫な気がします。
■エンジン
新開発のT-PLANEクランク採用の3気筒エンジンは、不等間隔の点火サイクルが特徴です。低速域では2気筒に近いトルク感で蹴り出す力を感じやすい印象ですが、高回転では4気筒に近いフィーリングに変化します。
点火サイクルの違いを言葉で表すのは難しいのですが、例えば下記グラフの山の部分で爆発していると想像してみてください。
等間隔が「ドン!ドン!ドン!」だとすると、新開発T-PLANEクランク採用の不等間隔は「ドドン!ドン!」といった感じです。※点火サイクルについては別の記事で詳しくお伝えします。
新型エンジンは従来型よりコンパクトになりながらも高出力を実現し、トルクは7000回転で130nm、パワーは9000回転で150馬力を発生します。
しかも、低回転からしっかりトルクが出ているので、スタートも気を使うことは一切なく、さほど回転を上げずともギアを上げて行く度に車速が増していく印象です。
しずしずと穏やかに走ることが出来る特性を持ちながら、どの回転域においても必要なパワーを好きなだけ取り出せる、そんなエンジン特性になっています。
これは、オンロードだけでなく、オフロードに持ち込んでも楽しめそうですね。ただ、スロットルをガバっと開けると、空を飛びそうな勢いで加速していきますのでご注意ください・・・。
電子制御もかなり進化しており、6種類のライディングモードの切り替えに合わせて、サスペンションの減衰力やスロットル開度に対するエンジンレスポンスが最適になるよう自動で調整してくれたり、6軸IMUという慣性計測ユニットは、車体の前後・左右・上下の傾きと加速度をセンサーで計測することで、ABSやトラクションコントロールの介入度合を調整し、特に車体を傾けているコーナーリング時のブレーキングなどでも、最適な走りを実現してくれるようになっています。
ただ、今回は街乗りオンリーでしたので、改めて長距離ツーリング、出来れば足場の悪いコースに持ち出して、電子制御による乗り味の変化を比べてみたい思います。
■ハンドリングほか
見た目もインパクトも大きい Tiger1200 Rally Pro。でも、走りだしてしまえば車体の大きさは忘れてしまいます。
何より、驚いたのが車体のバランスの良さです!!
ラジエターを二分割にして両サイドに振り分け、その分、エンジン搭載位置を少し前にズラすなど、以前のモデルより重量配分の最適化にこだわったのが、すごくよく分かります。
とても、車重250キロ・ホイールベース1560mmもあるようには思えず、一回り小さな車体に感じるのはすごいと思いました。
この重量バランスの良さのお陰で、歩くような速度で走行しても、グラつくことはありません。苦手だった教習所の一本橋、もし、教習車がTiger1200 Rally Proだったら、楽々クリアできたでしょうね。
Tiger1200シリーズはシャフトドライブを採用しているので、特有の癖(加速時に車体後部が持ち上がる)はどうだろうかと思っていたのですが、それは全く気になりません。と言うか、言われなければ分かりませんwww。
これは、トライリンクスイングアームによる効果なのだと思いますが、エンジンパワーの伝達ロスが少なくメンテナンスフリーと言うシャフトドライブのメリットが生かされるようになっています。
フロント21インチ、リヤ18インチの大きなスポ―クホイールの組み合わせは、悪路での走破性を高めるためですが、街乗りでも曲がりにくさや乗りにくさを感じることは全くありません。
しなやかによく動く前後サスペンションのお陰で、姿勢変化をきっかけにして、気持ちよくコーナーを曲がってくれる楽しいバイクに仕上がっています。
乗り方は人それぞれあると思いますが、セオリー通りのコーナーワークで曲がってみたら、このTiger1200 Rally Pro、へんな挙動を出すことなく、気持ちよ~く曲がってくれました。
①ブレーキを掛け減速する ②フロントフォークが沈む ③ブレーキを抜きフロントフォークが戻る ④その時のふわっとする瞬間に曲がる方向へリーンする ⑤自然なセルフステアが発生して穏やかに旋回が始まる ⑥車体が出口を向いたところでスロットルを開ける ⑦コーナーを抜け加速する
これらの動作がとても穏やかに行えるゆとりがあり、とても素直で良いなぁと感じました。
さすがに車体の大きさから軽快感はありませんが、だからといって鈍重な感じは全くありません。コントロールしやすい穏やかなハンドリング、そして車体剛性の高さを感じる正確な動きと相まって、車体の挙動を察知しやすいところは特筆したいポイントですね。
アドベンチャーバイクはとかく装備面が取り上げられることが多いのですが、一番大事なのは長距離走った時のライダーの負担や疲労感がどれだけ少ないか、ではないでしょうか。
このTiger1200 Rally Proの素直なハンドリング、そして高い車体剛性からくる穏やかな挙動は、長距離を走るライダーの疲労を最小限にするよう、トライアンフが考え抜いて作った旅バイクんなんだなぁと、しみじみ感じた試乗でした。
気になってる方は、ぜひ、試乗してみてください。きっと、「ほぉ~」と感慨深いものがありますよ。