トライアンフ東京 月別アーカイブ
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みなさんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。本日はチェーンのメンテナンスについて、お話ししたいと思います。
最近、巷ではチェーンのメンテナンスについて、注油は必要か否かと言う議論があるようですが・・・。この件について、某有名チェーンメーカーさんからお話を伺う機会がありましたので、お伝えしたいと思います。
■チェーンの種類
まず、バイクに使われているチェーン、実は構造的に大きな括りで分けると2種類あるのはご存じでしょうか。バイクに使われているチェーンは、シールチェーンとノンシールチェーンに大別されます。
ノンシールチェーンが昔からあるタイプで主に小排気量車、そして、シールチェーンは高速道路を走れるバイクの大半が採用しています。
シールチェーンは高速走行などで大きな摩擦が生じる条件下でも、対摩耗性を高め長持ちするようにチェーンの構造部品のブッシュとピンの間にグリスを封入して、そして、そのグリスが外に漏れないようにOリングで蓋をした、文字通りシールした構造となっているのが特徴で、これにより、ノンシールチェーンよりも長持ちするようになったそうです。
※RKチェーンHPより
■チェーンに注油は不要なの?
シールチェーンにはグリースが元々封入されている事から、チェーンに注油をしなくても良いのでは?と言う考えが生まれ、それがいつしか、「シールチェーン注油不要説」として定着していったようなのです。
確かに、チェーンの中にグリースが封入されていて、それがしっかりOリングで蓋されているのであれば中身は漏れませんし、また外から水分が混入することも無いと思います。
そうすると、シールチェーンに関しては注油不要と言うのは合理的な考えのように思えてきますよね。
■チェーンの構成部品は?
では、チェーンを構成する部品を見てみましょう。チェーンはアウタープレート、インナープレート、ローラー、ブッシュ、ピン、Oリングが組み合わさって出来ています。
そして、この中で、ブッシュとピンの間の摩擦が一番大きいため、グリスを封入して潤滑しているのは先述した通りです。
ただし、チェーンの構成部品は他の部品と常に擦れている状態にある事は忘れてはいけません。また、バイクがエンジンの動力を後輪に伝えている限り、チェーン自体はスプロケット(歯車)と接しているわけですから、ここでも摩擦は生じているのです。だからこそ、金属製のチェーンもスプロケットも摩耗し交換するのです。
■摩擦軽減による効果検証
ここで、某有名潤滑油メーカーの面白いデータをお見せしたいと思います。下のグラフは250ccのギア付きバイク(シールチェーン装着車両)の後輪出力を測定したものです。
これは、同社の2つの製品の潤滑性能を比較するために行った実験結果なのですが、同じバイクでチェーンに塗布する潤滑油を変えただけで、それ以外は同条件での測定なのですが、高性能な潤滑油を塗布した方が若干ながら測定結果が向上しています。
この結果から、摩擦が軽減することで実馬力(後輪出力)は向上すると言うが分かりますね。
※スズキ機工(ベルハンマー)HPより
潤滑油のグレードアップだけで3%近くの後輪出力が向上しているのですから、もし潤滑油を使用していない状態を比較したらどうなっていたのでしょうか。これは容易に結果が想像できると思います。
■まとめ
チェーンを構成する一つ一つの部品が擦れる時の摩擦係数は小さいかもしれませんが、バイク一台分となると、数百個となりますので、軽視できないレベルになります。そして、摩擦が大きいという事はパワーロスに繋がり、燃費にも少なからず影響も与えます。
また、注油の効果として忘れてはいけないのが「サビ」の抑制があります。サビを発生させた状態で走らせていると、シールチェーンのOリングにダメージを与え破損にもつながり、寿命が極端に短くなってしまいます。
もちろん、メーカーはユーザーが注油をしない事も想定しているので、すぐにOリングが破損したり、チェーンが切れたりする事は無いそうですが、長持ちさせるためにも注油した方が良いです。
メーカーさんも「ネットでまことしやかに言われているチェーン注油不要説は真に受けないで下さい!」とハッキリ言ってます。
それから、注油以前のお話になりますが、チェーンが汚れたまま放置しているのは非常によろしくありません・・・。砂や汚れがチェーンの間に入り込んで、サビと同様にOリング破損に繋がりますので・・・。
さてさて、ここまでお話しすれば、もう、お分かりいただけたと思いますが、チェーンの注油はもとより、メンテナンスをしないとダメです。もし、チェーンのメンテナンスは手が汚れるから嫌だというのであれば、ディーラーでもやってくれます。
チェーンのメンテナンス(清掃、遊びの調整、注油)も定期的に行って、コンディションを良い状態に保ち、気持ちよくバイクを走らせていきましょう^^
皆さんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。今回は少し趣向を変えて「バイクの楽しさ」を個人的な見解でお話ししたいと思います。若干、まとまりに欠ける部分はご容赦ください^^
【初体験】
私が初めてバイクに乗ったのは免許を取るだいぶ前、小学四年生、10歳の時でしたwww。
もちろん公道ではありません。とある場所の敷地内ですが。親戚の叔父がHONDA XE50(確か2型?)を所有しており、よくモトクロスごっこをして遊んでいました。
小学四年生からすれば、50ccでもパワーをものすごく感じ、空を飛ぶような勢いで走るバイクに夢中になったものです。
現在、私は54歳。良く飽きずに乗り続けてるものだと思いますが、とにかく楽しいんです。バイクって。結局、44年前に知ったバイクの楽しさを上回るものに、未だ出会っていないからかもしれません。
では、何が楽しいのか。その辺りを思いつくままに綴ってみたいと思います。
【楽しいと思う事】
①行動範囲が広がる!自由にどこでも行ける!
私は小学校1年生で初めて自転車を買ってもらいました。その時の行動半径の広がり方に感動を覚えたものです。そして、免許を取って自分で買った初めてのバイク、原付でしたが、それこそ「アラジンの魔法の絨毯」を手に入れたような気分でした。
前述したように、すでにバイクに乗る面白さは知っていましたが、当然、免許を取る前です。行動範囲は限られていましたが、今度は免許があれば堂々と公道を自分のバイクで走れます。その時の気分は最高でした。
そして、高校生の夏休み、何の計画もなく、ノリで東京から「江の島」まで行ってしまい、そのまま七里ヶ浜で野宿したり、バイクの知識もないまま、キャブ車の原付で「富士スバルライン」を登ろうとして、途中でエンジンかぶって走らなくなったりもしました。
それでも、そんな失敗さえ、楽しい(^^♪と思えるほど、バイクに乗っている時は充実した時間でした。
きっと、いつでも、どこでも、好きな時に好きな場所へ行ける自由。その今まで味わったことのない解放感が気持ち良かったのだと思います。
大人になれば交通手段の選択肢は増えますし、より利便性の高いもので移動すれば良いでしょう。でも、車や電車、飛行機とは違って、機動性の高さ、ルート選択の自由度、始発や終電もなく時間に縛られず、移動時間さえも楽しい時間に変えてくれる乗り物、それがバイクなんだと思います。
一昔前に「自由だぁ~!!」と声高に叫ぶ芸人さん(犬井ヒロシ/サバンナ高橋茂雄)がいましたが、まさに、それがバイクの魅力だと思います。※芸人さんの写真やイラストは肖像権の絡みがありますので割愛しますが、気になる方はググってみてください。
②空気を切り裂く爽快感/人生変わるかも
全身で風を受けて走る気持ち良さは、オープンカーでも味わえません。夏は暑いし、冬は凍えそうに寒い。秋冬だって雨が降ったら最悪です。でも、そんな事はどうでも良くなるくらい、バイクに乗って走っている時の爽快感は他に代わるものがありません。
私の前職は金融機関勤めだったものですから、日々、かなりのストレスを溜め込んでいました。そんなストレス過多の時や仕事で煮詰まった時、気分転換にバイクで走ると気分がスッキリしたものです。
特に深夜から早朝にかけて、夜が明ける直前、空が紫に色づき始める時間帯のクルージングは最高です。
嫌なことは忘れて、ただ、バイクの運転にだけ意識を向ける。そんな非日常の時間に身を置くことで蘇生していく自分が居たのを覚えています。誰にも邪魔されない自分だけの時間を持っていたからこそ、今まで頑張ってこれたんだと思っています。
オーバーな言い方かもしれませんが、私はバイクに救われた面は相当あると感じています。そんな経験から、バイクに乗れば人生変わる!と本気で思っています。
③友達が増える/仲間が増える
バイクは一人で乗るから、寂しい趣味のように見えるかもしれませんが、そんなことは全くありません。乗ってるだけで友達は増えます。
ツーリングに行けば道すがら「ヤエー」のあいさつに始まり、PAや道の駅でも声を掛けられることが多いですし、ソロツーリングで知らない土地に行っても、地元の人からしょっちゅう声を掛けられたりします。
また、共通の趣味をもった人とは、すぐに打ち解けて友達になりやすいです。
学生時代の友達は歳を取るにつれて減っていくものです。それはきっと、同じ環境にいたから仲が良かっただけなのかもしれません。
でも、趣味が同じという事は、価値観も共感できる部分が多いものですから、環境や年齢に関係なく友達になったりします。ちなみに、私のバイク仲間で一番若い人は、免停講習で一緒になった息子より若い20歳です(笑)。
④奥が深くて色々な楽しみ方がある
趣味でバイクに乗ると言っても、楽しみ方は千差万別です。
カスタムやドレスアップが大好きで世界に一台だけ、自分仕様のバイクを作ることに夢中になる人、週末の日帰りツーリングから北海道周遊や大陸横断のように何泊もするようなロングツーリングなどバイクでの旅が楽しいと感じる人、サーキットやオフロードコースで普段できないような全開走行を楽しむ人、本格的なレース活動する人もいれば、林道を走って山深いところまで行ってソロキャンする人もいます。
しかも、バイクの種類も多種多様で、一生かかっても乗り切れないくらい沢山の種類のバイクがあります。
原付には原付の楽しさがあり、リッターバイクにはリッターバイクの楽しさがあり、スポーツバイク、ツアラー、クラシック、オフ車、アドベンチャー、それに新型車に旧車などなど、それぞれ魅力があって飽きることがありません。
もっと上手く乗れるようになりたいと思えば、自分のスキルにあったライディングスクールだってたくさんあります。お手本となるDVDや教本もたくさんあります。※私のお勧めは柏秀樹さん、ケニー佐川さんです。
失敗をしながらも、走り込んでいくうちに、上手く乗れた!と感じる瞬間があったりします。また、乗りこなせないと思っていたバイクでも、いつか乗りこなせる日が来るものです。
そんな時に味わう達成感、「イヤッホー!!!」と声を出したくなる気持ち、これらを味わったら、もうバイクの虜になると思います。
他にもバイクのレース観戦(TRIUMPHはMOTO2のエンジンサプライヤーです!)も面白く、レース毎のライダー同士やチーム同士の駆け引きが段々わかるようになってくると見応えも増しますし、好きなライダー、好きなチームがあれば、更に盛り上がるものです。
こんな奥が深い世界、なかなか無いと思います。
【まとめ】
徒然なるままにつづってきましたが、バイクの楽しさ、伝わっておりますでしょうか。ほんと、バイクの事を話し出せば、尽きることなくお話しできてしまいます。
それくらい、バイクには魅力があって、楽しくて飽きることがないと思います。
若いころバイクに乗っていた人でも、結婚したり、子供を授かったタイミングで降りるケースは非常に多いのですが、子育て一段落したらリターンする人が多いのもまた事実です。
いったん降りたバイクにまた乗りたいと思うのはなぜでしょう。それは、楽しい乗り物なんだと言う事を身体が覚えているからなんだと思います。
そんなバイクの魅力を一言で表すとしたならば、「自由」であることだと私は思います。
正解もなければ、誰かに押し付けられるものでもありません。リーガルな人もいれば、イリーガルな人もいます。もちろん法規違反はいけません。そして、自由には責任が伴います。だからこそ、ルールやモラルが大切です。
人から教えられることもあれば、自分なりにルールを課している人もいます。やはり、ジェントルマンライドが一番です。これからも、安全第一でバイクを楽しんでいきたいと思います。
でんっ!!!
いやぁ、Street Triple RS、どの色もカッコいいですよ(*^▽^*)
駒田は個人的に黄色が好きです(なお、語彙力)
とってもカッコいいんですけど、跨ると何故か地面がどこかに消えちゃうんですよね…。
なんでだろ? 笑
さて、RS → R → MOTO2 と続けて登場予定のStreet Tripleですが、車両に先駆けてクロージングのご紹介です
駒田が熱望しているソフトシェルは残念ながら無いのですが、最近人気の高いジャージが新登場!
襟付きの半袖シャツも、パンツにインしてカッコよく着こなせそうです。
(この言い回しに既に年を感じるのは私だけ…? )
Tシャツはバックロゴとセンターロゴの2種類。
キャップと、今回はリバーシブルのネックチューブもあります。
写真が下手くそすぎて白く写っているのですが、「RACING」の文字は黄色です。
まだオフィシャルの画像が上がっていないので、資料からの切り抜き画像になってしまうのですが、こんなカンジ。
黄色のワンポイントが入ったことにより、オシャレ度がアップ!
さぁ、そんなMOTO2 GP COLLECTIONは、もちろんECサイトでもお取り扱い中です(*´▽`*)
是非是非ご覧ください、そしてご購入くださいませ(*^▽^*)
そして…。
お待たせしております、2023年のクロージングCOLLECTION、SS23…。
ただ今、海を渡っております…。
ゆっくりゆっくり、日本に向かっております…。
4月の後半位の到着になってしまうかも、との情報が入ってきておりますので、気長にお待ちいただけると幸いです。
それまで!是非!!MOTO2、そしてDGR!!をよろしくお願いします!
皆さんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。今回はBonneville T120についてお話しさせていただきます。
■Bonnevilleの名前の由来
よく、Bonneville(ボンネビル)はイギリス車なのに、なぜアメリカの地名が車名になっているの?と聞かれるのですが、これは、アメリカ・ユタ州のボンネビル・スピードウェイで今でも毎年8月に行われている、最高速度を競うレースでの勝利に由来します。
スピードウェイといっても、いわゆる一般的なサーキットではありません。ユタ州にあるグレートソルト湖が干上がって出来た30000エーカーに及ぶまっ平でカチコチな平原(塩原)をコースに見立てて、そこをスピード自慢のマシンを駆って最高速度を競い合うのです。
このボンネビル・スピードウェイのことは映画にもなっており、題材は他メーカーのバイク「インディアン・スカウト45」の話になりますが、「世界最速のインディアン」と言うタイトルです。
これ、じつは私が最も好きな映画なんです。劇中、アンソニー・ホプキンス演じる主人公バート・マンローが、近所の子供と話している時、「このマシンでスピードに挑む時は5分が一生に勝る。一生よりも充実した5分間だ!」と語ったシーンが忘れられません。
1920年代に作られた非力なバイクを自らチューニングにチューニングを重ねて、世界最高速度を記録するバイクにまで仕上げた、不屈の精神の持ち主の話です。
と、少々、脱線しましたが、Triumphもこのボンネビル・スピードウェイで1955年、650ccのエンジンで時速193マイル(約309キロ)の最高記録を打ち立てています。そして、その翌年には同じエンジンの発展型で時速214マイル(約342キロ)を打ち立てているのです。
その後、ボンネビル・スピードウェイでの勝利を支えた技術力のフィードバックから作られた、画期的な高性能エンジンを搭載した新型車を1959年に発売することになりました。
当時、マーケット的にもアメリカは最大の市場規模を誇っており、そこでも勝利したいとの思いから、ボンネビル・スピードウェイでの勝利にあやかり、車名を「Bonneville」と名付けたそうです。
■スタイリング
いまのBonnevilleは現在の道路事情や排気ガス規制に適合するべく、最新技術でエンジン他を制御するようになっていますが、往年のモダンクラシックなデザインは受け継がれています。
空冷の時代から少しずつリファインされながらも、その美しさは今でも何ら変わりません。この見ていて飽きの来ないデザインは、様々なメーカーがお手本にしたそうです。
■エンジンの特性
低回転からトルクフルで非常に乗りやすく、そして心地よい排気音と相まって、トコトコと走るのが楽しい特性に仕上がっています。
国産のリッターバイクのような天にまで突き抜けんばかりに回るフィーリングはありませんが、120年の歴史が生み出すTriumph伝統のバーチカルツインエンジンの鼓動感は何物にも代えがたい魅力があります。
低回転では味わい深い鼓動感を生み出しつつ、クルージングでは程よいエキサイティング感を楽しめる、そんなエンジンに仕上がっています。
■ハンドリング
フロント18インチ、リア17インチという組み合わせのセッティングは現代風で、程よい軽快感に仕上がっています。フロントブレーキはT100のシングルディスクに対してT120はダブルディスク。その分の重さは感じ取れるのですが、これは2台を乗り比べて初めて分かるレベルです。
ブレーキのタッチはしっかりしていて、握り込んだ分だけちゃんと効いてくれる、さすがブレンボですね。
そして、これまたTriumphのノウハウが詰まった伝統のダブルクレードルフレーム、見た目は何の変哲もない鉄パイプを曲げて溶接しただけに見えるのですが、パワーとタイヤのグリップにマッチした秀逸なフレームで、Bonneville T120の素性の良さに貢献しています。
走りだせば237kgの車重は感じません。しかも、ハンドル切れ角も大きいので、ごく低速域での取り回しも楽ちんです。初めての道、ツーリング先での狭い路地、行き止まりでUターンするような場面でも、足付きの良さと相まって機動性は抜群です。
■足つき性
足付き性は低いシート高のお陰で、身長172cmの私の場合は両足べったりで安心です。小柄な体形の方でも大丈夫だと思いますが、足付きに不安な方はシート加工(アンコ抜き)でローシートにすることも可能です。
※写真はT120Blackのためマフラーが艶消し黒になっています。
■電子制御
T120には快適に高速道路をクルージングできるよう、シングルボタンで操作のしやすいクルーズコントロールが装備されています。
ライディングモードは「Road」と「Rain」の2種類です。トルク特性とトラクションコントロールの設定が調整され、悪天候の時はもとより、遠出の帰りで疲れている時にもパワーを抑えた走りが出来るので安心です。
ABSは万が一の時、急ブレーキで危険回避するような場面でもタイヤロックをすることなく、確かな制動力で車速を落としてくれる優れもので、普段はその存在を忘れてしまいますが、もはや安全なライディングには欠かせない装備です。私は過去に何度かABSに救われたことがありますので・・・。
★まとめ
厳しい排ガス規制「ユーロ5」に対応することが難しく、クラシックでオーソドックスなモデルが次々と廃盤となっていく現代にあって、変わらぬ高い質感で所有欲を満たし、そして、毎日乗って楽しく、いつまでもそばに置いていたいと思えるバイク、それがBonneville T120だと思います。
似たようなデザインのバイクは他メーカーでもありますが、あくまでも似たようなデザインです。乗り比べればわかります。Bonnevilleは唯一無二のバイクです。いつも忖度抜きにダメだしする私が褒めるのですから。それくらい歴史の重みを感じさせる秀逸なバイクです。
ぜひ一度、トライアンフ東京で試乗して、120年の歴史を感じてみてください。
皆さんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。
今回は「新型 StreetTriple 765 RS」を袖ケ浦フォレストレースウェイで試乗してきましたので、その時の感想をお話しさせていただきます。
※袖ケ浦フォレストレースウェイ オフィシャルページより
まず、あくまでもスピードレンジが高いサーキットでの感想ですので、街乗りでは違った印象を受けるかもしれないということは、予めご理解いただいたうえで、読み進めて頂ければと思います。
※ブログ内の走行写真はオフィシャルページからの拝借です。決して私ではありませんのでwww。
■走行インプレッション(前型との違い)
まず、走りはじめて最初に感じるのは、前型と比べてスタートが楽に思えたところです。クラッチミートした瞬間から2気筒エンジンのように押し出そうとする力を感じられ、Moto2からのフィードバックにより各部を見直してパワーアップ(123PS → 130PS)したエンジンは伊達じゃないと感じました。
また、車体重量は前型と変わらない188kgなのに軽快感は強くなっています。特にコーナーリング時の倒し込みは、キッカケを与えた瞬間にスパッと倒れ込んでくれる、カミソリのような切れ味です。
これは、ホイールベースの短縮、キャスター角の変更、シート高11mmアップなど、車体構成を見直した結果、ロールポイントが前型と変わっているからなのかもしれません。
標準装備のクイックシフターはアップもダウンも素早いシフトを可能にしており、ギクシャク感はありません。シフトタッチは優しい感じで、どこかのメーカーのようにガチャンガチャンと大きな音を立てることも無く、スムーズにスコスコっとギアが入ります。
新たに搭載されたIMUによる恩恵は、奥で回りこんでいるコーナーで感じることが出来ました。車体をバンクさせている状態から、ブレーキングで減速し、更に小さく回り込む袖ケ浦の第4コーナーでも、安心してブレーキが掛けられるほどABSの信頼性が高く、介入もほとんど感じませんでした。
更に言うなら、袖ケ浦のストレートエンドで4速全開からフルブレーキング、フロントフォークがフルボトムしていても、スムーズに姿勢を乱すことなく減速できるのは驚きでした。これはIMU制御によるABSと、ブレンボの新しいスタイルマ・キャリパーの相性が良いのだと思います。
IMU制御によるトラクションコントロールの良さは実感としては正直わからなかったのですが、袖ケ浦サーキットの最終コーナー、少し上りの左コーナーでフロントのグリップ感が抜けそうな場所でも不安なく走れたのは、気づかないうちにトラクションコントロールが上手に制御してくれていたからだと思います。
同じくIMU制御によるフロントホイールリフトコントロールに関しては、スロットル全開で袖ケ浦の直線をフル加速してフロントが浮き気味になった時、わずかに介入があったのは分かりましたが、加速が鈍るような感覚はありませんでした。
新型StreetTripleの最新式電子制御は出しゃばるような介入が無く、非常に秀逸なシステムだと感じました。
ただ、このようにサーキットで走りやすいバイクというのは街乗りには不向きなのでは?と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、乗りやすさを追求したフラットなトルク特性のエンジンは、回転数が上がるにつれてパワーが上がる、唐突にドカンとパワーが出ることがない、すごく自然なフィールのため、非常に乗りやすい特性になっています。
神経を尖らせるような必要は全く無く、乗り手のライディングスキルに合わせてくれる懐の深さ、許容範囲の広さを持っているのが、新型StreetTriple です。
■足つき性に関して
気になる足付きですが、標準シートでも身長172cmの私の両足が付きますから、平均的な日本人の身長であれば、特に臆することなく乗れる高さです。
メーカーオプションのローシート装着車両に試乗した感想ですが、確かに足つき性は良くなっていますが、座面が低くなってもシートの端を残すように削っているため、若干、足を大きく開く必要がありました。そして、シートの端が太腿の内側にあたるため、長時間乗車では、太腿の内側が痛くなるかもしれません。
また、座面をフラットにしないで「すり鉢」のように削ったせいで、座面の前方が盛り上がる形状になっているため、小柄な体形の方だと、この盛り上がりが邪魔になり、ハンドルに手が届きにくいと感じるかもしれません。
もし、新型StreetTripleでシート高を下げたい場合には、オプションのローシートではなく、純正品の加工でご自身の体形にフィットする形状に仕上げる方が良いのでは?と、個人的には思いました。
なお、リアサスペンション・アッパーマウントのスペーサーを取り外すことで、10mmローダウンすることも可能です。これに関しては、ノーマル車高と乗り比べても違和感はありませんでした。
トライアンフ東京でもシート加工や上記ローダウンも承れますので、ご希望の場合はご相談ください。
■まとめ
新型StreetTriple 765 RS の価格は149.5万円からですが、装備、質感、走りのどれをとっても価格以上に感じられ、とても割安感を感じる車両です。個人的には180万円が妥当な価格かなと思うくらいです。
スポーツバイクという性質上、サーキット走行を考えている方にお薦めなのはもとより、ビギナーからエキスパートまで楽しめる懐の深さ、街乗りからサーキットまで許容するトルクフルな3気筒エンジン、決め細かな最新式電子制御による安定感、専用チューンが施されたしなやかな足回り、剛性が高くバランスの良いフレーム、限界時でもコントロールしやすいブレーキと、どこをとってもTriumphのエンジニアが拘り抜いて作り上げているため、すべての人に乗る楽しさ、操る喜びを与えてくれるバイクだと感じました。
今回はサーキットでの試乗なので、高いスピードレンジでの話が中心となりましたので、街乗りやツーリングでのインプレッションは、別の機会にお伝えしたいと思います。それまで、少しだけお待ちください。
トライアンフ東京では新型StreetTriple 765 RS の試乗車の用意があります。気になる方は、私の言葉が嘘か本当か、ぜひ、確かめに来てください。