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【試乗記】新型 StreetTriple 765RS

皆さんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。

今回は「新型 StreetTriple 765 RS」を袖ケ浦フォレストレースウェイで試乗してきましたので、その時の感想をお話しさせていただきます。

※袖ケ浦フォレストレースウェイ オフィシャルページより

まず、あくまでもスピードレンジが高いサーキットでの感想ですので、街乗りでは違った印象を受けるかもしれないということは、予めご理解いただいたうえで、読み進めて頂ければと思います。

※ブログ内の走行写真はオフィシャルページからの拝借です。決して私ではありませんのでwww。

■走行インプレッション(前型との違い)

まず、走りはじめて最初に感じるのは、前型と比べてスタートが楽に思えたところです。クラッチミートした瞬間から2気筒エンジンのように押し出そうとする力を感じられ、Moto2からのフィードバックにより各部を見直してパワーアップ(123PS → 130PS)したエンジンは伊達じゃないと感じました。

また、車体重量は前型と変わらない188kgなのに軽快感は強くなっています。特にコーナーリング時の倒し込みは、キッカケを与えた瞬間にスパッと倒れ込んでくれる、カミソリのような切れ味です。

これは、ホイールベースの短縮、キャスター角の変更、シート高11mmアップなど、車体構成を見直した結果、ロールポイントが前型と変わっているからなのかもしれません。

標準装備のクイックシフターはアップもダウンも素早いシフトを可能にしており、ギクシャク感はありません。シフトタッチは優しい感じで、どこかのメーカーのようにガチャンガチャンと大きな音を立てることも無く、スムーズにスコスコっとギアが入ります。

新たに搭載されたIMUによる恩恵は、奥で回りこんでいるコーナーで感じることが出来ました。車体をバンクさせている状態から、ブレーキングで減速し、更に小さく回り込む袖ケ浦の第4コーナーでも、安心してブレーキが掛けられるほどABSの信頼性が高く、介入もほとんど感じませんでした。

更に言うなら、袖ケ浦のストレートエンドで4速全開からフルブレーキング、フロントフォークがフルボトムしていても、スムーズに姿勢を乱すことなく減速できるのは驚きでした。これはIMU制御によるABSと、ブレンボの新しいスタイルマ・キャリパーの相性が良いのだと思います。

IMU制御によるトラクションコントロールの良さは実感としては正直わからなかったのですが、袖ケ浦サーキットの最終コーナー、少し上りの左コーナーでフロントのグリップ感が抜けそうな場所でも不安なく走れたのは、気づかないうちにトラクションコントロールが上手に制御してくれていたからだと思います。

同じくIMU制御によるフロントホイールリフトコントロールに関しては、スロットル全開で袖ケ浦の直線をフル加速してフロントが浮き気味になった時、わずかに介入があったのは分かりましたが、加速が鈍るような感覚はありませんでした。

新型StreetTripleの最新式電子制御は出しゃばるような介入が無く、非常に秀逸なシステムだと感じました。

ただ、このようにサーキットで走りやすいバイクというのは街乗りには不向きなのでは?と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、乗りやすさを追求したフラットなトルク特性のエンジンは、回転数が上がるにつれてパワーが上がる、唐突にドカンとパワーが出ることがない、すごく自然なフィールのため、非常に乗りやすい特性になっています。

神経を尖らせるような必要は全く無く、乗り手のライディングスキルに合わせてくれる懐の深さ、許容範囲の広さを持っているのが、新型StreetTriple です。

■足つき性に関して

気になる足付きですが、標準シートでも身長172cmの私の両足が付きますから、平均的な日本人の身長であれば、特に臆することなく乗れる高さです。

メーカーオプションのローシート装着車両に試乗した感想ですが、確かに足つき性は良くなっていますが、座面が低くなってもシートの端を残すように削っているため、若干、足を大きく開く必要がありました。そして、シートの端が太腿の内側にあたるため、長時間乗車では、太腿の内側が痛くなるかもしれません。

また、座面をフラットにしないで「すり鉢」のように削ったせいで、座面の前方が盛り上がる形状になっているため、小柄な体形の方だと、この盛り上がりが邪魔になり、ハンドルに手が届きにくいと感じるかもしれません。

もし、新型StreetTripleでシート高を下げたい場合には、オプションのローシートではなく、純正品の加工でご自身の体形にフィットする形状に仕上げる方が良いのでは?と、個人的には思いました。

なお、リアサスペンション・アッパーマウントのスペーサーを取り外すことで、10mmローダウンすることも可能です。これに関しては、ノーマル車高と乗り比べても違和感はありませんでした。

トライアンフ東京でもシート加工や上記ローダウンも承れますので、ご希望の場合はご相談ください。

■まとめ

新型StreetTriple 765 RS の価格は149.5万円からですが、装備、質感、走りのどれをとっても価格以上に感じられ、とても割安感を感じる車両です。個人的には180万円が妥当な価格かなと思うくらいです。

スポーツバイクという性質上、サーキット走行を考えている方にお薦めなのはもとより、ビギナーからエキスパートまで楽しめる懐の深さ、街乗りからサーキットまで許容するトルクフルな3気筒エンジン、決め細かな最新式電子制御による安定感、専用チューンが施されたしなやかな足回り、剛性が高くバランスの良いフレーム、限界時でもコントロールしやすいブレーキと、どこをとってもTriumphのエンジニアが拘り抜いて作り上げているため、すべての人に乗る楽しさ、操る喜びを与えてくれるバイクだと感じました。

今回はサーキットでの試乗なので、高いスピードレンジでの話が中心となりましたので、街乗りやツーリングでのインプレッションは、別の機会にお伝えしたいと思います。それまで、少しだけお待ちください。

トライアンフ東京では新型StreetTriple 765 RS の試乗車の用意があります。気になる方は、私の言葉が嘘か本当か、ぜひ、確かめに来てください。

 

 

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