トライアンフ東京

スタッフ ブログ

スタッフブログ

【試乗記】Tiger1200 Rally Pro

みなさんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。

今回は見た目が強烈~!!なTiger1200 Rally Proに乗った感想をお伝えしたいと思います。

 

■足付き
シート高は875-895mmとかなり高く、身長172cmの私の場合、両ツマ先が付く程度です。もちろん低目の875mmにセットしましたが、写真(左)のようにバレリーナ状態ですwww。

左足べったりの写真(右)はお尻を少し左にずらした状態のもので、信号待ちではこうやって、左片足で支えるようにしていました。でもまぁ、こうすると、車高の高さも何とかなるもんですね。

ただ、信号待ちしている時に強い風にあおられ、一瞬ヒヤッとする事もありましたが、乗って乗れないことはない、と言うのが正直な感想です。きっと慣れれば大丈夫な気がします。

■エンジン
新開発のT-PLANEクランク採用の3気筒エンジンは、不等間隔の点火サイクルが特徴です。低速域では2気筒に近いトルク感で蹴り出す力を感じやすい印象ですが、高回転では4気筒に近いフィーリングに変化します。

点火サイクルの違いを言葉で表すのは難しいのですが、例えば下記グラフの山の部分で爆発していると想像してみてください。

等間隔が「ドン!ドン!ドン!」だとすると、新開発T-PLANEクランク採用の不等間隔は「ドドン!ドン!」といった感じです。※点火サイクルについては別の記事で詳しくお伝えします。

新型エンジンは従来型よりコンパクトになりながらも高出力を実現し、トルクは7000回転で130nm、パワーは9000回転で150馬力を発生します。

しかも、低回転からしっかりトルクが出ているので、スタートも気を使うことは一切なく、さほど回転を上げずともギアを上げて行く度に車速が増していく印象です。

しずしずと穏やかに走ることが出来る特性を持ちながら、どの回転域においても必要なパワーを好きなだけ取り出せる、そんなエンジン特性になっています。

これは、オンロードだけでなく、オフロードに持ち込んでも楽しめそうですね。ただ、スロットルをガバっと開けると、空を飛びそうな勢いで加速していきますのでご注意ください・・・。

電子制御もかなり進化しており、6種類のライディングモードの切り替えに合わせて、サスペンションの減衰力やスロットル開度に対するエンジンレスポンスが最適になるよう自動で調整してくれたり、6軸IMUという慣性計測ユニットは、車体の前後・左右・上下の傾きと加速度をセンサーで計測することで、ABSやトラクションコントロールの介入度合を調整し、特に車体を傾けているコーナーリング時のブレーキングなどでも、最適な走りを実現してくれるようになっています。

ただ、今回は街乗りオンリーでしたので、改めて長距離ツーリング、出来れば足場の悪いコースに持ち出して、電子制御による乗り味の変化を比べてみたい思います。

■ハンドリングほか
見た目もインパクトも大きい Tiger1200 Rally Pro。でも、走りだしてしまえば車体の大きさは忘れてしまいます。

何より、驚いたのが車体のバランスの良さです!!

ラジエターを二分割にして両サイドに振り分け、その分、エンジン搭載位置を少し前にズラすなど、以前のモデルより重量配分の最適化にこだわったのが、すごくよく分かります。

とても、車重250キロ・ホイールベース1560mmもあるようには思えず、一回り小さな車体に感じるのはすごいと思いました。

この重量バランスの良さのお陰で、歩くような速度で走行しても、グラつくことはありません。苦手だった教習所の一本橋、もし、教習車がTiger1200 Rally Proだったら、楽々クリアできたでしょうね。

Tiger1200シリーズはシャフトドライブを採用しているので、特有の癖(加速時に車体後部が持ち上がる)はどうだろうかと思っていたのですが、それは全く気になりません。と言うか、言われなければ分かりませんwww。

これは、トライリンクスイングアームによる効果なのだと思いますが、エンジンパワーの伝達ロスが少なくメンテナンスフリーと言うシャフトドライブのメリットが生かされるようになっています。

フロント21インチ、リヤ18インチの大きなスポ―クホイールの組み合わせは、悪路での走破性を高めるためですが、街乗りでも曲がりにくさや乗りにくさを感じることは全くありません。

しなやかによく動く前後サスペンションのお陰で、姿勢変化をきっかけにして、気持ちよくコーナーを曲がってくれる楽しいバイクに仕上がっています。

乗り方は人それぞれあると思いますが、セオリー通りのコーナーワークで曲がってみたら、このTiger1200 Rally Pro、へんな挙動を出すことなく、気持ちよ~く曲がってくれました。

①ブレーキを掛け減速する ②フロントフォークが沈む ③ブレーキを抜きフロントフォークが戻る ④その時のふわっとする瞬間に曲がる方向へリーンする ⑤自然なセルフステアが発生して穏やかに旋回が始まる ⑥車体が出口を向いたところでスロットルを開ける ⑦コーナーを抜け加速する

これらの動作がとても穏やかに行えるゆとりがあり、とても素直で良いなぁと感じました。

さすがに車体の大きさから軽快感はありませんが、だからといって鈍重な感じは全くありません。コントロールしやすい穏やかなハンドリング、そして車体剛性の高さを感じる正確な動きと相まって、車体の挙動を察知しやすいところは特筆したいポイントですね。

アドベンチャーバイクはとかく装備面が取り上げられることが多いのですが、一番大事なのは長距離走った時のライダーの負担や疲労感がどれだけ少ないか、ではないでしょうか。

このTiger1200 Rally Proの素直なハンドリング、そして高い車体剛性からくる穏やかな挙動は、長距離を走るライダーの疲労を最小限にするよう、トライアンフが考え抜いて作った旅バイクんなんだなぁと、しみじみ感じた試乗でした。

気になってる方は、ぜひ、試乗してみてください。きっと、「ほぉ~」と感慨深いものがありますよ。

Webストア(通販サイト)